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| 青色の歴史
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青色のものは自然界にほとんど存在しないため、青色は人間にとって憧れの対象でした。青い鳥、青いバラなど、はかない夢の象徴とされてきました。実際、青い色の自然物を手に入れることは極めて難しく、古代より金と並んで青色は神聖な色とされてきました。
ツタンカーメンの黄金のマスクは金とラピスラズリの青色の組み合わせによって美しさが際立っています。ラピスラズリ(Lapis lazli)とは、lapisはラテン語で石、lazliはペルシア語で青、空で、青い石、天空の石という意味です。
ラピスラズリは神の石とされ、ファラオ、王族、司祭達しか使うことが許されなかった時代もありました。 ラピスラズリは少なくとも6000年以上も昔から発掘されていて、霊的で神聖な石として特別に扱われてきました。メソポタミア文明、インダス文明でも聖なる石とされていました。主にアフガニスタン奥地の山岳地帯で発掘されて、青色の石なかに金のように見える黄鉄鉱が斑点のようにあり、その模様が特に美しいものはより高級なものとされました。
天空の城ラピュタの飛行石のイメージもラピスラズリからのものと思われます。
カビが問題となっている高松塚古墳の壁画にもラピスラズリの青が使われているようだということが最近の研究で明らかになりました。シルクロードを伝わって日本にも入ってきたようで、様々な宗教の仏具などにも利用されてきました。青色は瞑想をするときに効果があるということで特に珍重されていたようです。
仏教ではラピスラズリは瑠璃(るり)と呼ばれていて、金・銀・玻璃(はり=水晶)などとともに極楽浄土を織り成す七宝のひとつとされていて、さまざまな経典で瑠璃などで彩られた美しい極楽の様子が述べられています。 曼荼羅をよく見ると、たくさんの仏の背景は青色、青緑色になっていることが多いのに気づかれると思います。極楽は瑠璃の大地でできているとされています。 紺地金泥(こんじきんでい、紺色の紙に金色の墨で書かれたもの)で書かれた経は、青色の瑠璃の大地に金がめぐらされている極楽浄土の様子を現していて、とても美しいものです。
西洋のキリスト教でも、青色は天国のイメージであって、聖母マリアは伝統的に、青いマントをまとっている姿が描かれてきました。 西洋朝顔にヘブンリーブルーと呼ばれる品種がありますが、その色は名前のとおりに天国をイメージさせるとても美しい青色です。
古代ローマの人々はラピスラズリは健康を保たせる石と考え、憂鬱症(メランコリー)の治療などに、用いました。 また、ラピスラズリは災いから身を守り、幸運を導く石とされてきました。それは、青色が持つ冷静沈着になる効果、集中力を上げる効果、のおかげで、危機的な状況でもパニックを起こさず、冷静さを保ち、より的確な判断ができ、危機を打開して幸運を手に入れることができるとされてきたからではないでしょうか。
宝石、パワーストーンなど、石の意味、効力は色と極めて関係が深いことがわかります。風水なども色の持つ効果と関係が極めて深いのです。逆に言えば、思いつきで述べられているのではなく、色などが持つ影響を反映したものであるからこそ、これまで長い間、語られて残ってきたのであり、これから先もずっと語られ続けていくのだろうと思います。
どれだけ深く海に素潜りできるかということを競う二人のダイバーの人間模様を描いたグラン・ブルーという有名な映画があります。主人公のジャックは命を危機にさらす状況なのにもかかわらず、深い青さのなかに神秘的な幸福感を感じるのです。
青い色には不思議な癒しの効果があることには多くの人が気づいていると思うのですが、太古の昔、人間も海を生きる生き物だったからか、青い色にはDNAレベルで懐かしさを感じるのかもしれません。母親の胎内の羊水は海水とほとんど同じ成分であることからも、
人間と青い海は切っても切れない関係であることがわかります。
欧米の人たちは、南の島で時間が過ぎるのも忘れてきれいな青い海を見ながら、ぼーっと過ごすことにとても憧れているということをよく耳にします。なぜそんなに南の島に憧れるのだろうかとずっと疑問に思っていましたが、南の島の青い海と白い砂の色の組み合わせこそが最高に癒される色の組み合わせなのだということに気づき、彼らの色への敏感さを思い知らされました。
みなさんが使っているパソコンの画面もたいていのページは白くて、上端のタイトルバーと下端のタスクバーは青くなっている人が多いと思います。この色の組み合わせになっているのも偶然ではありません。
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